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ククリア創作:ロイとアンセルム〜最後の酒盛り
- 2013.09.21 Saturday
- ククリア番外編
- 03:15
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- -
- by ヨハネス
「ねえアンセルム、今から飲みにいかない?」
「おごってくれるなら行く」
「おごるよ」
「よっしゃ、行こう!」
163年11日。ロイとアンセルムは酒場に来ていました。
「珍しいな。ロイが誘ってくるなんて。」
「ちょっとね。アンセルムと話したいなーって思って。」
二人は適当な料理を取ると、いつものテラス席に着きました。
「かんぱーい!」
ロイが手際よく料理を取り分けます。
「今日結婚式だったんだよね。フランシスくんの。おめでとう。」
「おう。これでうちも少しは静かになるな。」
「ほんと、子供がいないって静かだよー。マリアがいなくなって居室が広い広い!」
「だろうな」
料理を食べながら、二人は思い出話に花を咲かせはじめました。
「そういえば、僕たちが出会って何年だっけ?」
「16、7年か?」
「それくらいだよね。
小さいころはよくアンセルムにどーんされてたっけ。」
「したした。お前すぐ泣いてたよな。・・・次の日に倍返しされたけどよ・・・」
「そりゃあ、やられっぱなしは嫌だもん」
「だからといってココイフンめがけて突き飛ばすのはどうかと思うぞ・・・」
「でも、懲りたでしょ?」
「ああ、バッチリな。」
そういえば、とアンセルム。
「俺が魔導師なりたての頃さ、ロイが何やってんだ訓練しろ訓練しろってうるさかったの思い出した」
「そりゃそうさ。国を守るんだから。技教えようにもできないし。」
「だって・・・副候補だったし、あんなに早く魔導師になるなんて思わなかったから・・・」
「訓練したらしたで、僕が奥義教えようとするの2回も断ったよね。」
「だってお前に敵う気がしなかったし。お前いつの間にか俺よりずっと強くなってたしよ」
「手加減するって!」
「いや、そうは思えなかった」
「なんで?」
「だって人をココイフンに突き飛ばすような男だぞ?」
「そこまで根に持ってるのか・・・」
「おう」
ほかにあんなことがあった、こんなことがあった、と昔のことをいろいろ思い出すロイとアンセルム。昨日のことは思い出せないのに昔のことはいくらでも思い出せる、と大笑いしているうちに、夜は更けていきます。
多めに取ってあった料理もすっかりなくなったころ、ロイは急に真剣な顔になって言いました。
「ねえアンセルム。一つ、お願いがあるんだ。」
「どうした?」
ロイはまっすぐにアンセルムを見つめて言いました。
「もし、僕がいなくなったら、僕の娘たちを支えてやってほしい」
「なっ・・・!
ば、バカなこと言うなよ!順番からいったら俺のほうが・・・!」
「いや、そんなことはないよ。絶対。」
「!!・・・ロイ、お前まさか・・・!」
ロイは、ただ悲しげに微笑んでいました。
「・・・笑えねえ冗談だぜ・・・」
「ごめん。あと3日ともたないと思う・・・だから頼むよ。マリアも君にはなついてるみたいだし、リオは・・・あの子は、国王になるにはまだ未熟すぎる・・・」
「・・・」
「お願いだ。あの子たちを頼む・・・」
「・・・ああ、任せろ」
店を出た帰り際、先を歩いていたロイが急に足を止めました。
「そうだ、アンセルム」
「どうした」
「・・・君と友達になれて、本当に幸せだったよ。一緒にバカなことやって、大笑いしてさ。
・・・ありがとう・・・」
「ロイ・・・」
「それじゃあね」
その場で立ち尽くして、星空を見上げたアンセルム。
その頬を、雨のしずくが一粒流れおちていきました。
「おごってくれるなら行く」
「おごるよ」
「よっしゃ、行こう!」
163年11日。ロイとアンセルムは酒場に来ていました。
「珍しいな。ロイが誘ってくるなんて。」
「ちょっとね。アンセルムと話したいなーって思って。」
二人は適当な料理を取ると、いつものテラス席に着きました。
「かんぱーい!」
ロイが手際よく料理を取り分けます。
「今日結婚式だったんだよね。フランシスくんの。おめでとう。」
「おう。これでうちも少しは静かになるな。」
「ほんと、子供がいないって静かだよー。マリアがいなくなって居室が広い広い!」
「だろうな」
料理を食べながら、二人は思い出話に花を咲かせはじめました。
「そういえば、僕たちが出会って何年だっけ?」
「16、7年か?」
「それくらいだよね。
小さいころはよくアンセルムにどーんされてたっけ。」
「したした。お前すぐ泣いてたよな。・・・次の日に倍返しされたけどよ・・・」
「そりゃあ、やられっぱなしは嫌だもん」
「だからといってココイフンめがけて突き飛ばすのはどうかと思うぞ・・・」
「でも、懲りたでしょ?」
「ああ、バッチリな。」
そういえば、とアンセルム。
「俺が魔導師なりたての頃さ、ロイが何やってんだ訓練しろ訓練しろってうるさかったの思い出した」
「そりゃそうさ。国を守るんだから。技教えようにもできないし。」
「だって・・・副候補だったし、あんなに早く魔導師になるなんて思わなかったから・・・」
「訓練したらしたで、僕が奥義教えようとするの2回も断ったよね。」
「だってお前に敵う気がしなかったし。お前いつの間にか俺よりずっと強くなってたしよ」
「手加減するって!」
「いや、そうは思えなかった」
「なんで?」
「だって人をココイフンに突き飛ばすような男だぞ?」
「そこまで根に持ってるのか・・・」
「おう」
ほかにあんなことがあった、こんなことがあった、と昔のことをいろいろ思い出すロイとアンセルム。昨日のことは思い出せないのに昔のことはいくらでも思い出せる、と大笑いしているうちに、夜は更けていきます。
多めに取ってあった料理もすっかりなくなったころ、ロイは急に真剣な顔になって言いました。
「ねえアンセルム。一つ、お願いがあるんだ。」
「どうした?」
ロイはまっすぐにアンセルムを見つめて言いました。
「もし、僕がいなくなったら、僕の娘たちを支えてやってほしい」
「なっ・・・!
ば、バカなこと言うなよ!順番からいったら俺のほうが・・・!」
「いや、そんなことはないよ。絶対。」
「!!・・・ロイ、お前まさか・・・!」
ロイは、ただ悲しげに微笑んでいました。
「・・・笑えねえ冗談だぜ・・・」
「ごめん。あと3日ともたないと思う・・・だから頼むよ。マリアも君にはなついてるみたいだし、リオは・・・あの子は、国王になるにはまだ未熟すぎる・・・」
「・・・」
「お願いだ。あの子たちを頼む・・・」
「・・・ああ、任せろ」
店を出た帰り際、先を歩いていたロイが急に足を止めました。
「そうだ、アンセルム」
「どうした」
「・・・君と友達になれて、本当に幸せだったよ。一緒にバカなことやって、大笑いしてさ。
・・・ありがとう・・・」
「ロイ・・・」
「それじゃあね」
その場で立ち尽くして、星空を見上げたアンセルム。
その頬を、雨のしずくが一粒流れおちていきました。
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